近年の健康ブームに伴い、ランニングや気軽に出来るスポーツを始める方が大変多くなっております。
身体の活動量を増やす取り組みは、生活習慣病やメタボリックシンドロームの改善にとても良い事です。
ですが!
その一方で、外反母趾などをはじめとする〝足のスポーツ障害〟が増えています。
特に、フルマラソン完走などを目標に取り組むランナーの方に多い障害です。
今回は、足のスポーツ障害にはどの様なものがあり、なぜ起こるのか。また、起きてしまった障害にどの様に対応し、どう防げば良いのかを考えていきます。
足のスポーツ障害の種類
大きく分け、打撲や捻挫、肉離れの様に突発的に起こるスポーツ外傷と、アンバランスや誤った動作の繰り返しで慢性的に起こるスポーツ障害があります。
今回は、スポーツ障害について特に多くみられる足の障害について解説していきます。
今回は、スポーツ障害について特に多くみられる足の障害について解説していきます。
①外反母趾
外反母趾は母趾(親指)の付け根から外反(小指側に向かって曲がる)変形を引き起こす障害で、足のスポーツ障害の中でも大変多い疾患です。
特にランナーや女子スポーツ選手に多く見られますが、遺伝的要素もあると言われ男性でも起こります。
母趾自体の変形による痛みは一般的には訴えず、出っぱった母趾の付け根に靴との接触による痛みが起こります。
HV角(母趾付け根の角度)40°以上で重度とされ、手術療法が一般的です。
特にランナーや女子スポーツ選手に多く見られますが、遺伝的要素もあると言われ男性でも起こります。
母趾自体の変形による痛みは一般的には訴えず、出っぱった母趾の付け根に靴との接触による痛みが起こります。
HV角(母趾付け根の角度)40°以上で重度とされ、手術療法が一般的です。
②足底腱膜炎
足底腱膜炎は、その名の通り足裏の足底腱膜という部位に炎症が起きる症状です。重症化すると、踵の骨の腱膜付着部分に骨棘というトゲが出来てしまい、特に朝起きて歩き出しの一歩目に強い痛みが出やすいのが特徴です。
やはりランナーに多く、ジャンプ系のスポーツにも多く見られ流スポーツ障害です。
やはりランナーに多く、ジャンプ系のスポーツにも多く見られ流スポーツ障害です。
③扁平足障害
扁平足は内側の土踏まずが潰れて、アーチがなくなった状態を言います。多くの場合〝回内足〟という足部が内側に捩れた状態を呈します。
本来ある足の衝撃吸収機能や力の伝達機能が失われ、足腰の痛みや歩幅の減少など様々な問題につながります。
走る・跳ぶなど、多くのスポーツ動作では、障害を招くだけでなくパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
本来ある足の衝撃吸収機能や力の伝達機能が失われ、足腰の痛みや歩幅の減少など様々な問題につながります。
走る・跳ぶなど、多くのスポーツ動作では、障害を招くだけでなくパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
④アキレス腱炎
特にスプリント系の種目に多く見られ、アキレス腱自体の痛みが起こるアキレス腱炎、踵のアキレス腱付着部に起こる付着部炎などがあります。アキレス腱は、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋の人体で最も強力な腱です。
日常生活でも頻繁に使われる部位でもあり、なかなか治らない足のスポーツ障害の代表格と言ってもいい程、年単位で痛みを抱え、そのまま競技を引退する選手も少なくありません。最悪の場合、アキレス腱が劣化し、断裂する事もあるので注意が必要です。
日常生活でも頻繁に使われる部位でもあり、なかなか治らない足のスポーツ障害の代表格と言ってもいい程、年単位で痛みを抱え、そのまま競技を引退する選手も少なくありません。最悪の場合、アキレス腱が劣化し、断裂する事もあるので注意が必要です。
⑤シンスプリント
シンスプリントは、脛(脛骨)の内側に痛みが起こる疾患で、脛骨過労性骨膜炎とも言います。
指で強く押すと、飛び上がるほどの痛みを訴える事もあります。やはりスプリント系の種目に多く見られ、特に子供やスポーツ初級者にも多くみられる足のスポーツ障害です。
脛骨の疲労骨折と似た箇所が痛みを生じるため、軽視せず医療機関を受診する事も必要です。
指で強く押すと、飛び上がるほどの痛みを訴える事もあります。やはりスプリント系の種目に多く見られ、特に子供やスポーツ初級者にも多くみられる足のスポーツ障害です。
脛骨の疲労骨折と似た箇所が痛みを生じるため、軽視せず医療機関を受診する事も必要です。
足のスポーツ障害の原因
原因は様々ですが、代表的なものを挙げてみたいと思います。
①オーバーワーク
単純に練習のし過ぎで患部にストレスが集中したことによって発症することです。休養や食事とのバランスも重要で、何かが欠けると体はアンバランスを起こし障害が発生します。
②練習環境
特にマラソン選手などは、ロード(コンクリやアスファルト)に出て練習することが多く、足の障害を起こしやすくなります。
また、シューズは自分の足や身体の機能に合ったものを選ぶ様にしましょう。近年ブームの厚底シューズも、物によって柔らかいものや反発が強過ぎるものもあるので注意が必要です。
靴の履き方やサイズの選び方も重要ですが、詳しくは最後にお話しします。
また、シューズは自分の足や身体の機能に合ったものを選ぶ様にしましょう。近年ブームの厚底シューズも、物によって柔らかいものや反発が強過ぎるものもあるので注意が必要です。
靴の履き方やサイズの選び方も重要ですが、詳しくは最後にお話しします。
③競技特性
スポーツには、それぞれ競技特性というものがあります。ラケット競技や球技では、利き手利き足を中心に動作を繰り返すため、決まったところに負荷が集中し、左右のアンバランスが起こります。
ロードでランニングする場合、道路の構造上左側に傾斜した作りになっており、気付かないうちに足には偏ったストレスが加わっています。グランドを走る短距離選手などは、常時左回りのトラックを走るため、体は左側に傾斜します。そのため、左右の足にはそれぞれアンバランスなストレスが加わる事になります。
ロードでランニングする場合、道路の構造上左側に傾斜した作りになっており、気付かないうちに足には偏ったストレスが加わっています。グランドを走る短距離選手などは、常時左回りのトラックを走るため、体は左側に傾斜します。そのため、左右の足にはそれぞれアンバランスなストレスが加わる事になります。
④身体のアンバランス
特に、ジュニア期の選手や、スポーツ経験がなく中年になってからマラソンやスポーツを始めた方は、基礎的な体力や身体を操作する上での基本動作が身についていない事が多く、障害の原因となります。
競技にのめり込めば込むほど競技練習に時間を割き、トレーニングや基本動作練習を疎かにする傾向があります。
また、姿勢の崩れ、筋力や柔軟性のアンバランスがあると、動きの少ない部分と過剰に動く部分が出てきてしまい、主に動き過ぎた部位に障害を生じると言われています。
競技にのめり込めば込むほど競技練習に時間を割き、トレーニングや基本動作練習を疎かにする傾向があります。
また、姿勢の崩れ、筋力や柔軟性のアンバランスがあると、動きの少ない部分と過剰に動く部分が出てきてしまい、主に動き過ぎた部位に障害を生じると言われています。
足のスポーツ障害の対応策・注意点
足に限らず、障害が生じた場合、以下の症状がある場合は運動を中止し医療機関にかかってください。
①炎症症状
ア. 腫脹(腫れ)イ.熱感(熱を持つ)ウ.発赤(赤くなる)エ.疼痛(特に安静時痛)オ.機能障害(動かないなど)
これらは炎症の五代兆候とも言われ、程度にもよりますが症状が強く出ていればいる程、組織の障害は重度だと考えられます。
氷で冷やすなど応急的な対応をとり、医療機関に受診してください。
これらは炎症の五代兆候とも言われ、程度にもよりますが症状が強く出ていればいる程、組織の障害は重度だと考えられます。
氷で冷やすなど応急的な対応をとり、医療機関に受診してください。
②神経症状
ア. ビリビリする イ.ジンジンする ウ.感じない エ.動かない・力が入らない オ.ビーンと響く
などの症状は、神経症状の可能性があります。腰のヘルニアなど神経の圧迫があると、症状が足に出る事もあります。
また、モートン病と言って、足の第3・4・5趾の間にある神経が圧迫を受けて起こる疾患でも、痺れや痛み、ひどい場合神経・筋が麻痺し足が変形してきます。
運動を速やかに中止し、医療機関に受診してください。
足のスポーツ障害は、無理をして慢性化させるとなかなか抜け出せなくなります。思い切って練習を休む事も一つの手です。また、テーピングやインソールでサポートしながら練習する事も一つですし、練習後のアイシングなどで悪化させないための対策も必要です。
などの症状は、神経症状の可能性があります。腰のヘルニアなど神経の圧迫があると、症状が足に出る事もあります。
また、モートン病と言って、足の第3・4・5趾の間にある神経が圧迫を受けて起こる疾患でも、痺れや痛み、ひどい場合神経・筋が麻痺し足が変形してきます。
運動を速やかに中止し、医療機関に受診してください。
足のスポーツ障害は、無理をして慢性化させるとなかなか抜け出せなくなります。思い切って練習を休む事も一つの手です。また、テーピングやインソールでサポートしながら練習する事も一つですし、練習後のアイシングなどで悪化させないための対策も必要です。
足のスポーツ障害を防ぐ
①運動の強度・量・質を考える
本来スポーツというものは、一般的な日常生活動作レベルよりも高いレベルで動作を行います。その為、運動の強度・量・質を十分に考慮しなければなりません。
例えば、マラソンであれば、毎日ロードに出て高強度トレーニングをすればいいという訳ではありません。特に初級・中級レベルのランナーであれば、水中トレーニングや有酸素マシン、芝生でのジョグなど、強度を抑えたトレーニングも取り入れるべきです。
また、〝走る〟という基本動作では、体幹の安定性や大きな推進力を生む股関節周囲の安定性・出力、左右非対称な上半身・下半身を連動させた協調運動など、より質を重視したトレーニングに取り組むべきです。
例えば、マラソンであれば、毎日ロードに出て高強度トレーニングをすればいいという訳ではありません。特に初級・中級レベルのランナーであれば、水中トレーニングや有酸素マシン、芝生でのジョグなど、強度を抑えたトレーニングも取り入れるべきです。
また、〝走る〟という基本動作では、体幹の安定性や大きな推進力を生む股関節周囲の安定性・出力、左右非対称な上半身・下半身を連動させた協調運動など、より質を重視したトレーニングに取り組むべきです。
②ケアに取り組む
高いレベルのスポーツ動作を繰り返し行えば、必ず筋肉や関節組織は微細な損傷を受けます。
メジャーの大谷選手や、マラソンの大迫選手など強靭な肉体を持つトップ選手であっても、練習後のアイシングやストレッチ、マッサージは欠かしません。
明らかに耐久性の不足する初級・中級アスリートであれば、練習量と比例してケアの時間を増やさなければ足のスポーツ障害は防げません。
メジャーの大谷選手や、マラソンの大迫選手など強靭な肉体を持つトップ選手であっても、練習後のアイシングやストレッチ、マッサージは欠かしません。
明らかに耐久性の不足する初級・中級アスリートであれば、練習量と比例してケアの時間を増やさなければ足のスポーツ障害は防げません。
③バランスと基本動作を習得する
学校の部活動などが充分とも言えませんが、ジュニア期からスポーツの基礎を叩き込まれ、気の遠くなる様な反復練習をこなしてきた選手と違い、中年前後でスポーツを始めた人の場合基本動作が不十分な事が多くみられます。
また、猫背や反り腰の様な不良姿勢、膝が内に入りつま先を外に煽るような動作をするKnee in toe out(ニーイントゥアウト)と言った不良動作があると、高確率で障害を引き起こします。
信頼のおけるトレーナーや指導者に指導を受けることをオススメします。
また、猫背や反り腰の様な不良姿勢、膝が内に入りつま先を外に煽るような動作をするKnee in toe out(ニーイントゥアウト)と言った不良動作があると、高確率で障害を引き起こします。
信頼のおけるトレーナーや指導者に指導を受けることをオススメします。
④スポーツに欠かせない”靴”の選び方・履き方
多くの競技でその特性に応じてスポーツシューズやスパイクを使用します。靴はパフォーマンスを最大限に発揮できるかだけでなく、スポーツ障害にも関わります。
靴のフィッティング時には、必ず踵を中心に合わせ、つま先に1cm前後の捨て寸(余り・遊び)があると良いでしょう。つま先トントンはNGです。できれば横幅もチェックすると良いでしょう。
また、靴を履く際は紐をしっかり縛りましょう。履く度に紐を締め、足の甲の辺りから『キュッキュッ』と2度ほど引きパッと離します。特に中足部と言われる甲の部分を動かない様に安定させましょう。靴の中で足が動き回っている場合は、足のトラブルが発生するサインです。
靴のフィッティング時には、必ず踵を中心に合わせ、つま先に1cm前後の捨て寸(余り・遊び)があると良いでしょう。つま先トントンはNGです。できれば横幅もチェックすると良いでしょう。
また、靴を履く際は紐をしっかり縛りましょう。履く度に紐を締め、足の甲の辺りから『キュッキュッ』と2度ほど引きパッと離します。特に中足部と言われる甲の部分を動かない様に安定させましょう。靴の中で足が動き回っている場合は、足のトラブルが発生するサインです。
最後に
さて、足のスポーツ障害についてお話ししてきましたが、誰しも自分の足や身体は気になっていると思います。
身体のアンバランスはあるのか?扁平足?ハイアーチ?関節は硬い?柔らかい?身体の基本動作は上手に出来ている?
まずは、ご自身の足と身体の現状を知るべきです。現状がわからなければ、傷害のリスクも計れませんし、対策の取りようがありません。
メディカルフットセンターでは、足と身体を隅々までチェックする〝足の健康診断〟を行っております。足や身体のスペシャリストである理学療法士が担当しますので、不安や悩み、疑問点などなんでもご相談ください。
また、同じM&F株式会社が運営する【M&Fパーソナルスタジオ新中野】では、陸上競技のオリンピック選手や日本チャンピオンの指導歴のあるトレーナーが在籍しています。一度、基本動作の指導を受けてみてはいかがでしょうか。
スポーツ障害を防ぎ、パフォーマンスを上げ、皆さんのスポーツライフをサポートします!
身体のアンバランスはあるのか?扁平足?ハイアーチ?関節は硬い?柔らかい?身体の基本動作は上手に出来ている?
まずは、ご自身の足と身体の現状を知るべきです。現状がわからなければ、傷害のリスクも計れませんし、対策の取りようがありません。
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